この仕事をしていると、たくさんの出会いがありますが、時に寂しい別れもあります…
毎週水曜日は、以前勤務していた土谷総合病院で手術のお手伝いをさせていただいております。また、当クリニックから紹介となり入院されている方の面会にも伺っております。しかし、昨日の朝はそれまでの水曜日とは違いました。この月曜日に、ある方が旅立たたれました。先週の面会が最期の時間となってしまったのです。あの時の手の温もりや涙、その感覚はしっかりと残っているのに、部屋を出る時に振ってくださった手の動きもしっかりと目に焼き付いているのに、それが消えてしまった実感のない喪失感。
「(私の)お母さんはお元気でしょう?子供さんをしっかり見てあげてね。」と仰った言葉の裏には、もうすぐ母を失いつつあるご自身の娘さんを案じていることが伝わって参りました。
母を、そして子供たちを大切にすることができる、私の「今」が、決して当たり前でないことを改めて教えてくださったように思います。
最初の入院中の夜に偶然お会いした、思い出の8階の食堂。ホットコーヒーを飲みながら眺めた昨日の朝の景色は、遠くの空まで澄んでいました。またいつかお会いすることができる、そんな気持ちになれる空でした。
いつも感謝の気持ちを口にされ、周りの方々から愛される、素敵な方でした。出会えたことに、感謝しています。